2025年発見誌12月号
<巻頭言>治るのに大事なことは?
「他人に対して愛情が持つことができる」という斎藤さんの視点は、大切なことですね。
「集談会の世話人をやると神経症がよくなるよ」は昔、よく言われました。自分の内面ばかりに向いている心を外に向ける手助けになるのでは、と思います。そうしていろいろな事に熱中していると心の中に占める神経症の割合が小さくなっていくのですね。そうして人間に本来備わっている自然治癒力が働いていくのですね。集談会も一つの社会なので、その中でいろいろな経験をすると立ち直りも早いかもしれませんね。
以下参考までに斎藤さんの書かれた「治った状態」の記述です。
① 建設的作業を続けることができること。
② 物ごとをあるがままに認識することができる。
③ 他人に対して愛情を持つことができる。他人の幸福を喜び、不幸を悲しむことができる。
④ 自省心、反省心というものをもっている。
⑤ 自分の行動に責任を持つことができる。
⑥ 精神的弾力があって融通がきく。
⑦ ユーモアを解し生活を楽しむことができる。
以上は精神的な健康状態を表しているのですが、すべてを持っている人は、このストレスフルな世の中で普通の人でも、あまりいないのではと思ったりしました。
<名文発掘>森田療法学習のポイント(上)
石井先生の記事を懐かしく読みました。箇条書きに学び方が書かれていて良かったです。
森田療法の学習
1. 誤った認識と誤った行動を正す。―>それは人間性の再教育である。
2. 会員相互の励まし合い、助け合いで前進 ―>集談会出席で自分だけの悩みではない。
森田療法学習と実践の方法
1. 森田療法の知的理解 ―>神経質症の本態を知る
2. 体験談の聞き方(読み方)
(1) 自分の体験に照らして読んでいく ―>自分の体験の反省になる。
(2) 森田理論にあてはめてみる ―>目的本位の行動か、治癒過程のどこかなど
(3) 先輩は後輩の体験で自己反省―>過去の反省、神経質者相互の連帯感、積極的共感
(4) 他人の体験によって自分を客観視する―>症状を漫画視できれば解放へ
(5) 自分の体験を通しての助言―>助け合いの場、相談にのる、森田の再勉強
以上、纏めてみましたが集談会の話し合いの中で自分を客観視でき、自分に対する気づきが得られることが大きいかなと思っています。助言についてはたいへん難しく、押し付けにならないようにしなければと思います。むしろ傾聴が大事のように思っています。
<体験記> 50代半ばで初めて体験した神経症ー全般性不安障害・パニック障害―
人間だれでも「強い人間になりたい」という気持ちはありますね。自分も「仕事のできる男」になりたい気持ちが強くあり、仕事の失敗から挫折感、自己否定感に陥った経験があります。このためTさんの気持ちがよくわかりました。ただTさんの生育歴から極度の思い込みが、とらわれになってしまったことが理解できました。
・森田理論では「症状が治ったから人生観が変わった」のでななく「人生観が変わったから症状が治った」
・自分は「人間失格」でも「人間合格」でもなく、ただ「あるがままの自分」を認める事が少しずつ体得できた。
・人間が自分でコントロールできるものは、“今の行動”しかなく自分の感情も、周りの評価もコントロール出来ないものをしようとするから苦悩が深まる。焦らず60点主義で自分を肯定し、毎日の性格を積み上げていきたい。
などの文章が心に残りました。
<はっ犬くん オリジナル森田を読む>
怒りの感情をどのようにコントロールするかのテーマから、アンガーマネジメントを思い浮かびました。「我々は自分の感情を否定し、抑圧することは不可能であるが感情の自然に従いて、理知をもってこれを調節する工夫をすれば、楽に心が保たれる」の文章が答えになるのですが、「感情の法則」を日常生活にも役立てたいですね。
<パニックな私の森田な日々>
たいへんわかりやすい図のある漫画で勉強になりました。
① タイナー式生き方(生の欲望の見直し)
② 自分を支える柱を増やす
③ 徹底した自己受容(ダメな自分を受け入れて、そこから再出発すればいい)
④ 行動の原則(人間は失敗する生き物である)
⑤ 感情の法則
⑥ 「かくあるべし」からの解放
今回の漫画は、初心者向けにたいへん役立つと思いました。
<モリジイと学ぶ学習会シリーズⅡ> 7.森田療法の人間観
読者のお便りを見ていると不安や自分の「かくあるべし」を抱えながらも、森田を杖になんと頑張って生活していることがわかり、自分の生き方にも参考になります。自然に逆らわずに流れに沿って生きていけたらなあと思いました。
「礼節は欲を味わう極意」「所作は今を味わう極意」「感謝は幸せを味わう極意」など心に残る言葉がありました。参考までに理論学習の要点にある「森田療法の人間観」の単元を見てみると以下の項目がありました。
流れに乗って生きる/自然に服従し、境遇に柔順なれ/事実唯真/とらわれる心・感じる/自覚と気づき
その中で「神経症の根源を絶つには、焦らず、あきらめず、自然の感性を育んでいくことが実は近道なのです。「思考の迷路」から抜け出し、「直観」から行動できるようになることが森田療法の目標です」の文章にもあるように粘り強く学び、そして体得していくことが大切であると思いました。
<特別報告 第42回日本森田療法学会>
忘れられた森田療法が世界標準になるとほんとうに良いと思います。今回の発見会の発表の中に九州支部のMさんの名前がありました。一生懸命、活動されている様子、頭がさがりました。
<私らしく生きる>Vol.21
「畳水練」という言葉、良くわかります。森田理論は書物でいろいろ理解しても実践が伴わなければ机上の空論になってしまいますね。体得ということがとても大事なことですね。
「日々ふりかかってくる出来事は、全てに意味がある。それは良いことも悪いこともないので全面的に受け入れる、前向きにかかわる」という文章が印象に残りました。今をすべて受け入れて、今を一生懸命に生きることを教えていただきました。85才で元気にボランティア活動に励まれているクラゲさんにエールを送ります。いつまでもお元気で!!
<中高年の広場>大谷選手はプレッシャー(さん)に勝った
興味深く読みました。確かに今のスポーツ選手は伸び伸びとプレイしているように見えますね。自らに課した内的プレッシャーはあるけれど、周囲の人達からの期待という外的プレッシャーは少ないのかもしれないのかなと思ったりしました。そのことが好きで、より
うまくなりたいという気持ちがモチベーションになっているのですかね。今のスポーツ選手の気持ちを、「かくあるべし」にとらわれている神経症の我々にも何か役立つものがあるのかなあと思ったりしました。